巨大貯水池が憩いの場「マリーナバラージ」

最近は、マリーナ・ベイ・サンズに並んで観光スポットとなっているのが、巨大ツリーのあるガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。NSN映えもするので、シンガポール旅行の際にはぜひ撮っておきたい名所のひとつです。

たくさんの観光客が訪れる場所ですが、実はその奥に地元の人たちが憩いの場としている穴場スポットがあるのをご存じですか?

その名も「マリーナバラージ」。

実はこの施設、国内の水 約10%を供給する大切な施設になっています。

というのも、シンガポールの国土は、東京23区を一回り大きくした程度の小さな都市国家です。土地の高低差もなく、日本でいうダムのような水を貯めておく施設を作ることはできません。東南アジア最大のハブといわれ、インフラが進んでいると思われがちですが、国民が使用する水は、現在もお隣の国マレーシアから輸入しているという状態です。

元々シンガポールは、1965年にマレーシアから追放されるように独立した国。水の供給はマレーシアとシンガポールを結ぶコーズ・ウェイに平行した水道管から輸送されています。
政治的なことが絡んで混乱してくると、いつなん時マレーシアからの水の供給が停止するかわかりません。そのため、政府は海水淡水化設備を充実させ、さらには下水処理水をろ過、殺菌して、”ニューウォーター”と呼ばれてる再生水を普及させようと、いくつもの施設を建築中です。


こちらが敷地内にある堰。右が海(海水)で、左が貯水池(真水)です。

対岸とつながっていて、サイクリングコースにもなっています。

実際に堰の様子をみることができたり、ニューウォーターができるまでの仕組みなどを知ることができるギャラリーが建物内の2階にあります。


因みに、蛇口から出る水は東京と同じ軟水で、水道水をそのまま飲んでも問題はないといわれています。とはいえ、お腹のデリケートな方はご注意くださいね。


水事情が少しわかったところで、この施設は国民の憩いの場として活用されている場所をご紹介しましょう。

実は、施設の屋上は芝生になっていてるんです。

空には無数のカイトが!撮影時の天候があまりよくなくて残念ですが、青空だったらどんなに気持ちよいことでしょうね。

360度、ぐるりと見まわせば、マリーナ・ベイ・サンズ、観覧車のシンガポールフライヤー、海側には、いくつもの貨物船が沖にみえます。
ピクニックをする家族連れも多く、休日を楽しむその姿は、とても微笑ましいです。しかし、まわりに目をとらわれ過ぎて、カイトの糸に引っ掛かってしまう場合があるので気をつけてくださいね。因みにカイトがやりたくなったら、施設内でカイトを販売しています。

何度もいいますが、天気がよければ、もっと美しい光景がみれたのに・・・

この施設の位置は、マリーナ・ベイから見えるマリーナ・ベイ・サンズとは反対側になるので、新しいフォトスポットとしてもおすすめです。ガーデン・バイ・ザ・ベイをぐるりと回る途中にでも立ち寄ってみてください。

★マリーナバラージ

SINGAPORE FOOD TRIP

シンガポールを旅しながらその魅力を食を通じて発信 アジアンフードディレクターとして、メディアを中心に活動中