SNS映えする おしゃれナシレマ

マレーシアでは、朝食の定番であり、国民食ともいえるナシレマ(Nasi Lemak)。
もちろん、シンガポールでもポピュラーな料理のひとつです。

ナシレマは、ココナッツミルクを加えて炊いたライスに、煮干しのイカンビリス、皮つきのピーナッツ、辛いペーストのサンバルを基本としたマレー系の料理。ホーカーやコピティアムでもメニューにあり、お店によっては、S$2.50程度で食べられます。


そんなナシレマにS$12.80出しても食べたくなる名店があるのです。
もう、おいしさのアンテナが反応しまくりですよ。

チャイナタウン・アンシャンヒルにある「THE COCONUT CLUB」は、2016年10月にオープンしたばかりの店舗にもかかわらず、そのおいしさが評判をよび、すぐに人気店となりました。なんとオープンから2か月後には、リー・シェンロン首相がフィリピンのドゥテルテ大統領来星の際に案内して、名物のナシレマを振舞ったほどです。


店主は2014年のマレーシア旅行の際に出会ったナシレマに感銘を受け、以後研究を重ねてお店をオープンしました。マレーシアからココナッツを取り寄せては店内で加工。フレッシュさを最大限にいかした上質なココナッツを使ってナシレマを作ることで、最高のナシレマを完成させたのです。

Nasi Lemak(S$12.80)

まずは、ボリュームたっぷりなプレートに驚きです。ココナッツ香る程よいウェットな食感のライスに、カリッと口の中で弾けるようなイカンビリス、香ばしいナッツ、さらにたっぷりのサンバルを一気に混ぜ合わせて食べると、それぞれの主張が口の中で一体になります。チリの辛さだけではない甘みや複雑に香るハーブが、とてもよいアクセントとなっていて、全体をココナッツの香りが包み込んでいます。

日本人のテクスチャーに合っていると思えるのが、目玉焼きでしょう。
好みにも分かれるかもしれませんが、マレーシアの典型的なナシレマには、ゆで卵が使用されていることが多く、その一方、中国系が74%を占めるシンガポールでは、断然目玉焼き率が高いのです。黄身を崩して、流れ出す黄身をライスと混ぜながら食べる醍醐味が最高!!

さらに、注目すべきはチキンです。クリスピーな衣のチキンは、中身はもも肉のジューシーさを保ちながら、外側は水分をしっかり飛ばしたドライな食感のテクスチャーがパーフェクト!この味を知ってしまったら、リピーターになること間違いなしです。


そしてもう一品、この店の名物が、ココナッツミルクたっぷりのデザートであるチェンドル(Cendol)です。

フレッシュココナッツの存在感をさらに感じられるチェンドルは、かき氷仕立てです。同じくマレーシア・マラッカの特産であるグラマラカ(ヤシ砂糖)のソースに混ざり合うことで、最強コンビ見参!!

まるでムースのようにソフトでとろけるような口溶けのよさはShiok!!
濃厚ながらもスッキリとした後味のグラマラカにはしつこさがなく、鼻腔に抜ける芳醇な香りも見事な完成度です。

さらに食べ進めることで、現れる主役のチェンドル(ゼリー)のなんとも鮮やかな色合い。東南アジアで多用されているパンダンの葉を使用することでこの色味をつけることができます。ホント、見事なコントラスト。


五感すべてに主張してくるようなチェンドルは、本場マラッカで食べるチェンドルに引けをとらないおいしさでしょう。


昼夜共に、大盛況のお店なので、訪れる時には、少々時間をずらして訪れることをお勧めします。この店の味は、シンガポール初心者にもぜひ体感してほしいですね。

★THE COCONUT CLUB  
NO. 6 Ann Siang Hill Singapore 069787
Tuesday - Sunday from 11am - 3pm
Tuesday - Saturday from 6pm - 930pm

SINGAPORE FOOD TRIP

シンガポールを旅しながらその魅力を食を通じて発信 アジアンフードディレクターとして、メディアを中心に活動中